見つけた!! ナンゴク長命草の内臓脂肪とウエスト周囲径を減少させる「プテリキシン」の物語見つけた!! ナンゴク長命草の内臓脂肪とウエスト周囲径を減少させる「プテリキシン」の物語

※1)弊社調べ:天然物のデータベースLOTUSおよび化学物質データベースPubChemにおけるPteryxinを含有する国内植物の比較による

現在では広く知られるようになってきた「長命草の血糖値抑制効果※2」ですが、その長命草の中でも奄美以西で多く生育する「ナンゴク長命草」には、内臓脂肪を落とし、ウエスト周囲径を減少させる抗肥満効果があることが分かってきました。

※2)クロロゲン酸による:詳しくはこちら

このページではナンゴク長命草に含まれる抗肥満成分「プテリキシン」の発見秘話と、内臓脂肪に働きかけるその仕組みについて紹介いたします。


プテリキシン発見からサプリメントへの応用の物語は、弊社社長石原と、1人の農学博士との出会いから始まります。

長寿県として知られていた沖縄、南西諸島の植物の効用を利用した「地域独自の農産物活用と地域経済・社会の活性化」について研究していた、琉球大学 熱帯生物圏研究センター 応用生命情報学部門教授で農学博士の屋 宏典氏らのグループが、ちょっとした偶然から「長命草(ボタンボウフウ)を摂取し続けるすることで一定のダイエット効果がある」ことを発見しました。
長命草(ボタンボウウフウ)の製品を数多く手掛けてきた弊社はその情報をもとに屋教授にアプローチし、長命草(ボタンボウウフウ)の新たな可能性を知ることになります。
屋教授らが見つけた驚きの成分と、喜界島の長命草だからこそ実現した効果について、順を追ってゆっくりひも解いてまいります。

ボタンボウフウの新たな可能性について意見交換する3人

2024年 琉球大学:屋教授(写真左)とボタンボウフウの新たな可能性について意見交換する弊社社長:石原(中)とビーエイチエヌ共同研究員 野崎氏(右)

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痩せるマウスの不思議
〜プテリキシンを見つけた!!

内臓脂肪を落とし、ウエスト周囲径を減少させる抗肥満機能がある「プテリキシン」は、セレンディピティ…まさに「うれしい偶然の産物」から発見されました。

2006年、琉球大学熱帯生物圏研究センター。屋宏典教授が率いる研究室では、沖縄など南西諸島の過酷な断崖に自生する野草「ボタンボウフウ(長命草)」の可能性を追い求めていました。当初の主目的は、ボタンボウフウが持つコレステロール抑制や動脈硬化予防といった、生活習慣病に対するアプローチの検証でした。
しかし、科学の歴史が時として「セレンディピティ(偶然の発見)」によって動くように、この研究室でも驚くべき出来事が起こります。ある日、一人の研究員が、実験用のマウスを見て奇妙な違和感を抱きました。ボタンボウフウを与えられたマウスたちが、通常の食事を与えられている対照群の個体に比べ、明らかに体が引き締まり、痩せていたのです。
「健康状態の改善を調べていたはずが、なぜここまで体格に差が出るのか」——。この予期せぬ発見こそが、ボタンボウフウの秘められた「抗肥満効果」が初めて示唆された、歴史的な瞬間でした。

その後、屋教授のチームは、ボタンボウフウのダイエット効果/抗肥満作用にも着目し、研究を進めていきます。

「ボタンボウフウを与えたマウスが、与えていない個体に対して明らかに痩せている」ことを偶然発見

資料提供:屋宏典教授 参照:琉球大学熱帯生物圏研究センター 応用生命情報学部門(国立大学附置研究所・センター会議)
長命草を与えたマウスと長命草を与えなかったマウスでは、明らかに肥満度が異なることが確認できます。

その後、屋教授のチームは、ボタンボウフウのダイエット効果/抗肥満作用にも着目し、研究を進めていきます。

ではいったいボタンボウフウ(長命草)のどのような成分が、痩せているマウスに作用していたのでしょうか?

その問いを解決するために屋教授らは動物、細胞レベルで実験、研究を重ね、ボタンボウフウに含まれる、抗酸化機能を持つ香り成分の一種である『プテリキシン』が、肥満の抑制に関係していることを突き止めます。
南西諸島の伝統的な野菜が、現代人の悩みである肥満を解決し、さらに地方経済を活性化させる鍵になるかもしれない。その想いは「プテリキシン」という有効成分の特定へと繋がり、ボタンボウフウの血糖値抑制機能とは別の、もう一つの機能、抗肥満機能の科学的根拠(エビデンス)へと昇華していくことになったのです。

プテリキシン 分子構造 3Dモデル

研究室からヒトへ。ボタンボウフウが内臓脂肪を減らすことを証明

マウスを用いた基礎研究で得られた驚くべき成果は、ヒトを対象とした最終的な検証段階へと移ります。2025年、喜界島薬草農園では、プテリキシンの肥満抑制効果を確認するための本格的な臨床試験を実施しました。
この試験では、科学的な信頼性を担保するため、厳しい管理下で被験者の身体変化が追跡されました。その結果、マウスで見られた抗肥満機能がヒトの体内でも同様に機能し、内臓脂肪の減少およびウエスト周囲径の減少に対して有意な働きを持つことが実証されたのです。

ボタンボウフウ摂取による内臓脂肪面積・ウエスト周囲径の変化ボタンボウフウ摂取による内臓脂肪面積・ウエスト周囲径の変化

20歳以上60歳未満、BMI (kg/m2) が23以上30未満の成人男女58名にボタンボウフウ葉粉末を1日1,000mg (プテリキシン2.5mg含有)もしくはプラセボを12週間継続摂取ボタンボウフウ葉粉末の摂取が肥満気味の健康な成人の体脂肪に及ぼす影響 ーランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験ー
参照: Effect of Consuming Peucedanum japonicum Leaves on Body fat in Overweight Healthy Adults -A Randomized,Placebo-Controlled,Double-Blind,Parallel-Group Comparison Study- (Pharmacometrics 108 - 2025)

このように、長年の研究により、ボタンボウフウを与えたことで痩せていたマウスに働きかけていたのは「プテリキシン」という成分で、さらにプテリキシンには人の内臓脂肪やウエスト周囲径も減少させる働きがあることが確認されました。

長命草の生育地による
プテリキシン含有量の違い

ボタンボウフウ(長命草)に含まれる抗肥満成分プテリキシンですが、実は生育地域によってその含有量が異なることが分かっています。

ここではボタンボウフウ(長命草)の生育地とプテリキシンの関係について見ていきましょう。

まず、前提としてボタンボウフウの様々な名称を理解しておく必要があります。
長命草という名前は、「一株食べれば一日長生きできる」という言い伝えを表した通称で、正式な和名を「ボタンボウフウ」というセリ科の植物です。

これら全て、同じ植物の別名です。ボタンボウフウ、長命草サクナ、チョーミーグサなど これら全て、同じ植物の別名です。ボタンボウフウ、長命草サクナ、チョーミーグサなど

国内に自生する長命草は、さらに地域ごとに変種が存在することが明らかになっており、喜界島の長命草は「ナンゴクボタンボウフウ/ナンゴク長命草」という種に分類されます。

ボタンボウフウの新たな可能性について意見交換する3人

日本で長命草(ボタンボウフウ)とよばれる植物は、自然界での生育地域によって、大きく3種類に分けることができます。

  • ボタンボウフウ:
    基変種(最も基本となる変種)で、鹿児島県の薩摩半島西部より北の九州、本州、四国などの比較的暖かい地域(石川県以南)に分布しています。
  • コダチボタンボウフウ:
    屋久島、種子島などトカラ列島(ただし宝島を除く)に分布しています。
  • ナンゴクボタンボウフウ(ナンゴク長命草):
    奄美以南(ただし宝島を含む)に分布しています。石灰岩の上にも生育し、乾燥環境適応にも優れ、過酷な環境でも育つたくましさが特長です。

喜界島で生育し、生産される長命草は「ナンゴク長命草」という種類で、喜界島薬草農園でもこの種の長命草を生産農家様から集荷しています。

また、長命草の3つの変種はそれぞれ含有する成分に違いがあり、「ナンゴク長命草」は、国内の長命草の中でも、最も「プテリキシン」の含有量が多いこと分かっています。

ボタンボウフウの新たな可能性について意見交換する3人

たとえば屋久島や種子島のコダチボタンボウフウと、奄美以西のナンゴクボタンボウフウのプテリキシン含有量を比較した場合、屋久島産のものに比べて13倍以上、種子島産のものに比べても約4倍以上もプテリキシン含有量が多いことが分かっています

参照:琉球大学熱帯生物圏研究センター 応用生命情報学部門(国立大学附置研究所・センター会議)

さらに最近の研究によると、国内の植物全体においてもナンゴク長命草のプテリキシン含有量は最も多いことが報告されています。

弊社調べ:天然物のデータベースLOTUSおよび化学物質データベースPubChemにおけるPteryxinを含有する国内植物の比較による

喜界島産など奄美以西の「ナンゴク長命草」は、国内産長命草はもとより国内植物の中でも「プテリキシン」を最も多く含む、抗肥満(ダイエット)効果が期待できる植物といえます。

プテリキシンって何?

ところでプテリキシンとは一体何物なのでしょうか?

植物の香り成分・クマリン化合物(※3)の一種であるプテリキシンは、過酷な環境から植物自らの細胞を守る「防波堤」のような役割を担っています。
主な働きは細胞膜の中でバリアを形成することによる強烈な紫外線からの保護、高温ストレスへの耐性、有害な塩分の浸入阻止、さらに香りによる外敵(病原菌や害虫)からの防御などです。
ボタンボウフウのみならず植物の多くは周囲の環境に合わせて、このような物質の量を増減させる驚くべき能力を持っています。環境のリスクが高まるとこのような成分を増やして防御を固め、生存を図ります。いわば、動けない植物が自らを内側から守るための、精巧な防衛システムです。

※3)クマリンは桜餅の香りのもとになる桜の葉に代表される植物の芳香成分の一種で、シナモンやトンカ豆、ウォッカ「ズブロッカ」でおなじみのバイソングラスなどにも含まれています。

日差しが強い地域や、珊瑚礁の石灰岩上、あるいは塩水を常に被る海岸線など、過酷な生育環境にあるナンゴク長命草に含まれるプテリキシンの量が多いのは、このような植物の防御システムの必要性に関係しているかもしれません。

「喜界島に自生するナンゴク長命草

珊瑚礁の島ならではの石灰質の過酷な環境でも逞しく生きる、喜界島のナンゴク長命草

植物が過酷な環境で生き抜くために持つ成分が、「抗肥満」という人の健康に役立つというのはとても興味深い話しですね。

プテリキシンの内臓脂肪機能

では、プテリキシンによる抗肥満効果の仕組みについて見てみましょう。
その鍵は「内臓脂肪」にあります。

ナンゴク長命草に含まれる「プテリキシン」が、抑制と促進(加速)という正反対の2つのアプローチで「内臓脂肪」に働きかけ、内臓脂肪の減少やウエスト周囲径の減少を実現します。

1. 脂肪の蓄積を抑える

〜プテリキシンによる
 脂肪蓄積抑制のメカニズム〜

プテリキシンは、体内の脂肪合成に関わる重要な調節因子である SREBP-1c や、脂肪酸合成酵素である FASN、ACC1 の発現を効果的に阻害する働きを持っています。
この働きにより、エネルギーとして消費されなかった余分な糖質などが「脂肪酸」へと変換されるプロセスを上流からブロックします。
その結果、脂肪の主要な貯蔵庫である「脂肪組織」や、代謝の要である「肝臓」への過剰な脂肪蓄積が抑制されます。

プテリキシンが脂肪の蓄積を抑える

前駆脂肪細胞株3T3-L1や肝細胞株HepG2を用いた細胞試験による

2. 脂肪の消費を加速させる

〜プテリキシンによる脂肪燃焼と
 代謝制御のメカニズム〜

プテリキシンは細胞内で、通称「痩せホルモン」と呼ばれるアディポネクチン(※4)の発現を高める作用を持っています。このホルモンが分泌されると、細胞内のエネルギーセンサーである脂肪燃焼スイッチ「AMPK(※5)」が活性化されます。
AMPKがオンになると、体内に蓄積された脂肪の分解が促され、エネルギーとしての消費が劇的に加速します。
さらに、プテリキシンは脂質代謝に関連する広範な遺伝子ネットワークを最適化する調整役も担います。
単に脂肪を減らすだけでなく、太りにくく効率的にエネルギーを燃焼できる体質への変化を、分子レベルで力強くサポートするのです。

※4)アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脂肪燃焼促進、インスリン感受性の改善(糖尿病予防)、動脈硬化の抑制など、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防・改善に重要な役割を果たします。
※5)AMPK活性化は運動による効果と似た「運動模倣効果」も生み出すことが分かっています。

プテリキシンが脂肪の燃焼を加速する

参照:Effect of Peucedanum japonicum Thunb on the expression of obesity-related genes in mice on a high-fat diet (2011)

※4)アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脂肪燃焼促進、インスリン感受性の改善(糖尿病予防)、動脈硬化の抑制など、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防・改善に重要な役割を果たします。
※5)AMPK活性化は運動による効果と似た「運動模倣効果」も生み出すことが分かっています。

人間の体は本来、脂肪をエネルギーとして燃やして活動し(消費)、また逆に活動時のエネルギー源として脂肪を蓄えておく(蓄積)という可逆的な2方向の機能を備えています。
プテリキシンはその双方に関与して脂肪の吸収〜蓄積を抑制し、脂肪を燃焼して消費を加速することで、内臓脂肪の減少・抗肥満効果をもたらします。

クロロゲン酸(血糖値抑制など)との
相乗効果

ナンゴク長命草のもつ二つの成分「プテリキシン」「クロロゲン酸」の相乗効果で、さらに以下のような効果が期待できます。

クロロゲン酸が脂肪の吸収を抑える

クロロゲン酸は血糖値抑制機能のみならず、食事から摂取した脂肪を小腸で分解・吸収しやすくする「膵リパーゼ」の活性を抑制する働きがあることが分かっています。この酵素の働きを妨げることで、脂肪が体内に吸収されるのを防ぎ、中性脂肪(トリアシルグリセロール)のまま便中への排出を促進します。
つまり、入り口で脂肪の吸収を食い止めることで、体内に余分な脂質を取り込ませない「バリア」のような役割を果たしています。

このようにプテリキシンのみならず、クロロゲン酸も脂肪吸収を抑制することで、内臓脂肪の減少を助けています

クロロゲン酸が脂肪の吸収を抑えます。

参照:Peucedanum japonicum Thunb inhibits high-fat diet induced obesity in mice (2011)

クロロゲン酸とプテリキシンの「血糖値抑制効果」および「抗肥満効果」で、ナンゴク長命草は現代人の生活習慣からくる様々な問題や、生活習慣病の改善に寄与できる大きな可能性を秘めていると、わたしたちは考えています。

屋 宏典教授のご紹介

プテリキシンの抗肥満効果をはじめ、ボタンボウフウの生育地域によるプテリキシン含有量の違いなど、様々な研究成果や情報をご提供をいただいた、屋 宏典教授をご紹介いたします。

屋教授

屋 宏典(おく ひろすけ)

琉球大学熱帯生物圏研究センター 名誉教授

1957年、鹿児島県徳之島生まれ。1985年、九州大学大学院農学研究科博士課程修了、農学博士。琉球大学農学部助教授、琉球大学分子生命科学研究センター教授、琉球大学熱帯生物圏研究センター教授を歴任。琉球大学の産官学連携担当副学長として、地域連携推進機構産官学連携部門長も務めました。

現在は琉球大学熱帯生物圏研究センター名誉教授として、ボタンボウフウのみならず、沖縄、南西諸島の幅広い植物に深い造詣で、その知見を活かした離島の地域経済の発展や課題の解決に尽力されています。

屋教授との意見交換会にて

2024年 プテリキシンに関する意見交換会にて・写真左より弊社工場長:濵田、屋先生、弊社社長:石原

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