【イベント】喜界町立早町小学校の子どもたちがボタンボウフウの収穫を体験

3月上旬、喜界町立早町小学校の4年生がボタンボウフウの収穫体験に訪れました。
ボタンボウフウは「ひと株食べると一日長生きできる」という言い伝えから、「長命草」の別名を持つ植物です。
喜界島の方言では、「サクナー」と呼ばれています。

子どもたちが喜界島薬草農園に来るのは、昨年5月の植え付け以来のこと。
約10ヶ月ぶりに目の当たりにしたサクナーの成長に、「でっか!」と驚きの声があがります。

喜界島は、サンゴ礁が隆起してできた島です。
隆起サンゴ礁のかけらが散らばるミネラル豊富な土壌で、すくすくと育ったサクナー。
サクナーに含まれるクロロゲン酸は、血糖値の上昇を抑制する働きがあると報告されています。

自生のサクナーは、クロロゲン酸の作用にバラつきが出てしまうのですが、喜界島薬草農園では鹿児島純心女子大学と共同研究を行い、成分の一定化を実現しました。
無農薬・化学肥料不使用にもこだわって、朝どれのサクナーをその日のうちから加工しています。

生命力にあふれたサクナーは、葉だけを収穫すればまたすぐに生育が始まります。
子どもたちは「サクナーが切れる音がおもしろい!」と話しつつ、新芽を残して上手に収穫していきました。

収穫作業が終わったら、お楽しみの試飲タイムです。
サクナーの青汁は苦いという子どもたちにも、島のザラメで甘みを加えた「青汁ラテ」は大好評。
「おいしくて飲みやすい」と、何杯もおかわりする子どももいました。

サクナーで作られた「長命草茶」には、「麦茶みたいでスッキリしている」との感想が。
収穫作業で汗を流したばかりとあり、子どもたちもゴクゴクと飲んでくれます。
もちろん、長命草茶にも血糖値を抑えるクロロゲン酸が含まれているので、ぜひ食事のおともに。
中でも、ごはんなどの炭水化物が多めの食事におすすめですよ。

人口約7,000人の喜界島には、ふたつしか小学校がありません。
いつかは、どちらの小学校の子どもたちにも体験学習に来てほしいと考えています。
そのほかにも、地元のインフルエンサーさんとコラボしたりと、島の皆さんと直接ふれあえる体験型のイベントにこれからも取り組んで行きたいです。

収穫体験を終えた子どものひとりが、「次の4年生にも、この体験を楽しんでほしい」と伝えてくれました。
下級生を思いやる気持ちに、頼もしさを感じます。
のびのび育つサクナーのように、子どもたちも日々成長しているのですね。

喜界島は今、人口流出や過疎化という課題を抱えています。
彼らが大人になったとき、島に残りたいと思えるような心のよりどころになれたら。
島を支える産業のひとつとして、喜界島薬草農園も発展していきたい、改めてそう思った一日でした。